診断士になったけど、資格更新に必要な実務従事ポイントを1ポイントも取れていない、、
そもそも、会社員をしながらどうやって実務従事ポイントを取っていけるのか、、具体的な方法が知りたい。
本記事は、このような疑問について解説していきます。
- 企業内診断士にとって取得のハードルが高い実務従事ポイント
- 企業内診断士が実務従事ポイントを取得する3つの方法
- まとめ:企業内診断士でも実務従事30ポイントは十分に取得可能
本記事の執筆者の僕は、企業内診断士12年目。
5年に1回の資格更新を2回しています。
結論は、企業内診断士でも、実務従事ポイント30ポイントは十分取得可能です。
診断士資格の効力を維持するには、5年に一度、以下の更新登録要件を満たす必要があります。
(1)専門知識補充要件
理論政策更新研修等、合計して5回以上の実績を有すること。
(2)実務要件
診断助言業務等、合計して30日以上行ったこと。
(参照:中小企業庁「申請・届出の手引き」)
会社員にとって、特に大変なのが”(2)実務要件”。
ふだんの会社員生活を過ごすだけでは、外部企業のコンサル機会を得ることはできず、日中に自ら営業活動に行くこともできないからです。
実際、この条件を満たせずに資格の失効/休止をしていく人もたくさんいるし、資格の勉強を始めるときも、「この条件を満たすことができるのだろうか、、」と不安になる人もたくさんいます。
そこで、本記事では会社員でありながら5年に1回の資格更新を2回した経験から、会社員が実務従事ポイントを取得するための具体的な方法を3つ解説します。
- 受験生で、実務従事ポイントが取れるのか不安な方。
- 中小企業診断士になったばかりの方。
- 企業内診断士で実務従事ポイントの取得方法が分からない方。
本記事で、実務従事ポイント取得に関するイメージを膨らませてくださいね。
企業内診断士にとって取得のハードルが高い実務従事ポイント
それでは、実務従事ポイントを取得するのはどれくらい難しいのでしょうか?
中小企業診断協会がR3.5に「中小企業診断士活動状況アンケート調査」の結果を発表しており、この中で「実務従事ポイントの取得にあたっての阻害要因」に関する内容が掲載されています。
当アンケートの回答者は、独立診断士、企業内診断士が混ざっているため、一概に比較はできませんが、それでも「取得の阻害要因がある」の解答が約30%。さらに、その理由の中で「実務従事の機会そのものがない」と答えた人が50%以上になっています。
僕の実感では、企業内診断士に限っていえば、実務従事ポイントの取得に悩んでいる人はかなり多いと思います。
企業内診断士については、
都市部は、比較的ポイントを取得できる機会があるので、企業内診断士10人のうち5~6名は悩んでいる。
地方は、都市部と比較してポイントを取得できる機会が少ないので、企業内診断士10人のうち9人は悩んでいる。
こんなイメージです。
せっかく大変な思いをして取得した診断士資格なのに、実務従事ポイントが取得できずに5年後に資格を失効/休会してしまっては、とてももったいないですよね。
そのため、きちんと5年以内に実務従事ポイントを取得するための動きをしていきましょう。
企業内診断士が実務従事ポイントを取得する3つの方法
ここでは、企業内診断士が実務従事ポイントを取得する具体的な方法を3つ紹介します。
具体的な方法
- 診断協会主催の診断実務案件に参加する。
- プロコン塾に参加する。
- 診断士仲間から案件を紹介してもらう。
順に解説していきます。
診断協会主催の診断実務案件に参加する
各都道府県にある中小企業診断協会より、診断実務に関わる機会の少ない企業内診断士向けに、診断実務従事の機会が提供されています。
具体的には、中小企業診断協会のホームページから、各都道府県の実務従事内容を確認することができ、申込をすることができます。
具体的に確認できること
- 予定実施期間
- 募集期間
- 予定実務ポイント数
- 診断テーマ
- 参加料金
- 企業概要等
企業内診断士が実務ポイントを稼ぐ上で最もオーソドックスな方法です。
1クールにつき、計6日(1日1ポイント)で組まれていることが多く、1回の診断実務案件に参加することで6ポイントを取得できる場合が多いです。
1案件につき、指導員+4~5名の診断士でチームを組んで対応していきます。
主なメリット/デメリットは以下の通り。
主なメリット
- 診断協会主催の案件なので安心。
- 指導員がつくことで一から学べる。
- セオリーに沿った診断活動が経験できる。
- ほかの申込者とのネットワークを築くことができる。
主なデメリット
- 1クールあたり30,000円~60,000円の費用がかかる。
- 平日実施することもあるので、会社を休む必要がある。
- 案件数に限りがあるので、すぐに定員に達してしまう。
- 各都道府県で年間実施回数に大きなバラツキがある。
気になる案件の募集期間をチェックしておき、募集時期になったら素早く申し込みましょう。
プロコン塾に参加する
プロコン塾は、企業診断経験の多い診断士が指導員となり、企業診断実施に向けた知識やノウハウ、スキルを習得しながら実践力を身につけていくプログラムです。
実施期間は、数か月から1年の期間に渡る場合が多く、企業内診断士への考慮もされており、休日開催の場合が多いです。
プロコン塾のプログラムやスケジュールは、プロコン塾毎にさまざまです。詳細は各都道府県の中小企業診断協会のホームページ等から確認しましょう。
当プログラムの中に実際の企業の診断を行い報告書を提出する一連の診断活動が組み込まれている場合があり、ここで実務従事ポイントをもらえることがあります。
ポイント数は、各プロコン塾によってまちまちですが、6~12ポイント程の場合がほとんどです。
ただし、プロコン塾のプログラムによっては実務従事ポイントをもらえずに終わったり、そもそも診断活動自体がなかったりする場合もあるので、しっかり事前に確認しておきましょう。
主なメリット/デメリットは以下の通り。
主なメリット
- 実践で活かせる知識やスキルが学べる。
- 実際の診断活動に関する体験ができる。
- 診断士仲間ができる。
主なデメリット
- 参加費が10万円以上と高額な場合が多い。
- 人気の講座はすぐに定員に達するので、参加できない場合がある。
- 比較的、都市部での開催となり、地方では開催されていない場合が多い。
こちらも、診断協会主催の実務従事研修と同じく、気になるプロコン塾の募集期間をチェックしておき、募集時期になったら素早く申し込みましょう。
診断士仲間から案件を紹介してもらう
診断士仲間から紹介してもらって、その案件対応を通じて実務従事ポイントを獲得する方法です。
案件期間や内容によってバラバラですが、1案件につき、だいたい5~10ポイントくらいになる案件を紹介してもらえる場合が多いです。
具体的な案件例
- 商店街の復興支援補助
- 企業コンサル(スポット)
- 補助金申請業務のサポート
僕は、1回目、2回目の更新ともにこの方法で実務従事30ポイントを獲得しました。
1案件に対し何名で対応していくかは紹介者からの案件次第となります。
1名で対応する場合もあれば、3~5名程度のチームを組んで対応することもあります。
主なメリット/デメリットは以下の通り。
主なメリット
- 知り合いの診断士仲間からの紹介なので安心。
- 時間帯や曜日の調整をしやすい。
- 費用がかからない場合が多い。
主なデメリット
- 案件を紹介してもらうに至るまでの信頼関係構築が必要。
- 必ず実務従事ポイントが獲得できるとは限らない(紹介者次第)。
診断士仲間から案件を紹介してもらうためには、診断士仲間との信頼関係の構築が欠かせません。
そのためには、研究会や勉強会、イベントなど、診断士の交流の場に顔を出し、ネットワークを広げる必要があります。
さらに、「その場に参加した」、「知り合いができた」程度では、案件を紹介してもらえることはありません。
なぜなら、相手も大切なお客様の案件を任せることになるので、「この人なら信頼できる」と思う人に任せたいと思うからです。
自分が相手にできる最大限のGIVEを繰り返していくことで、だんだんと信頼を積重ねていくことができますよ。
まとめ:企業内診断士でも実務従事30ポイントは十分に取得可能
本記事では、会社員でも実務従事ポイントを取ることができるのかといった疑問に対し、以下の解説をしてきました
本記事の要約
- 企業内診断士にとって取得のハードルが高い実務従事ポイント
-
実務従事ポイントの取得に悩んでいる人が多いのが実態。
- 企業内診断士が実務従事ポイントを取得する3つの方法
-
- 診断協会主催の診断実務案件に参加する。
- プロコン塾に参加する。
- 診断士仲間から案件を紹介してもらう。
会社員にとって実務従事ポイントの取得はハードルが高いものであることは間違いありません。
でも、きちんと実務従事ポイントを取得するための方法を知って行動に移していけば、企業内診断士でも問題なく取得できます。
僕もふだんは会社員をしていますが、2回更新をすることができました。
いま実務従事ポイントの取得に悩んでいる方は、5年の更新期限が近づいてきてから焦るのではなく、いますぐ出来ることから行動に移していきましょう。